適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画
当JAは、一般社団法人全国農業協同組合中央会(JA全中)が作成した、JAグループの自主行動計画(下記)の趣旨を理解し、この計画に基づいた対応を行います。
白 山 農 業 協 同 組 合
代表理事組合長 柄田 俊樹
適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画
一般社団法人全国農業協同組合中央会
令和7年5月9日 制定
【背景・目的】
JAグループは、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、食料安全保障の確保に向けて、安全で安心な国産農畜産物を安定的に供給できる持続可能な地域農業の確立・農業者の所得増大に取り組んでいます。
一方、昨今では国際情勢の緊迫など地政学的リスクの高まりにより、肥料・飼料・燃料等の生産資材価格は高止まりしています。さらに、農業を取り巻く物流経費の増嵩、人手不足と人件費の上昇も大きな課題となっています。このような状況下で、安定した食料供給体制を確立するためには、フードサプライチェーンを構成する様々な主体が連携して適正な価格形成の実現に取り組む必要があります。
このため、農業とその関連産業の適正取引を推進し、一層の生産性・付加価値の向上を図ることを目的とする自主行動計画を策定し、行動して参ります。
1.重点課題に対する取り組み
会員JAが独占禁止法や下請法を遵守し公正な取引環境を実現するとともに、適正取引や付加価値向上につながる望ましい取引慣行を普及定着させるため、JAグループ及び関連業界の取引環境の改善や、変化する顧客ニーズに対応して投資ができる環境の整備に向け取り組みます。
(1)価格決定方法の適正化
会員JAと取引先の取引価格決定に当たっては、取引数量、納期、品質などの条件やコストの変動などを考慮し、取引先と十分に協議を行って決定します。取引先との価格の決定に際しては、特に、以下のことに配慮します。
①取引先との合理的な根拠に基づいた、十分な協議を通じて決定します。
②書面による交渉など、双方が確認できる体制の構築を推進します。
③取引先に対しては、年1回以上価格交渉の場を設けます。取引先からの申し出がない場合であっても、年1回以上価格交渉の必要性を確認します。
④材料費・人件費などの大幅な変動などにより、取引価格の見直しに関する協議の申し入れがあった場合は、十分な協議を行います。特に労務費、原材料価格、エネルギーコスト等の急激な上昇の下では、適切なコスト増加分の転嫁を目指し、発注者側から価格転嫁に向けた協議の場を設けていくことも検討します。
⑤コスト削減効果を十分に確認して取引価格に反映します。また、取引先の努力によるコスト削減効果を一方的に取引価格へ反映しないよう配慮します。
⑥大量発注を前提とした割安な単価の見積もりを、その後の少ない発注数量の取引単価として一方的に取引価格を決めることがないよう注意します。
⑦受注事業者に経済上の利益を提供させ、受注事業者の利益を不当に害さないようにします。
⑧2024年問題など厳しい状況に直面する自動車貨物運送業について、荷主の立場として物流事業者との十分な運賃・料金交渉に努めます。
⑨労務費については、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」に掲げる「事業者が採るべき行動/求められる行動」に配慮します。
(2)支払条件の改善
下請事業者に対しては、支払方法も取引先の事業活動に大きな影響を与えることに配慮した支払条件となるよう、以下のことを実施します。
① 現金による支払を基本とします。
② やむを得ず約束手形等による支払いを行う場合のサイトは60日以内とします。
③下請事業者の申入れがあれば、支払いサイトを短くする等協議に応じます。
(3)知的財産・ノウハウの保護
知的財産は、取引の目的に照らし合理的な範囲内で取り扱います。また、知的財産の取引条件を明確化、適正化していきます。
(4)働き方改革によるしわ寄せ防止
会員JAの働き方改革が及ぼす、受注事業者への影響(長時間労働等)に配慮しつつ、取り組みを阻害し、不利益となるような取引や要請は行わないように努めます。
2.取引先との協調・連携
受注事業者との会議や、事業所・工場の訪問などの際には、各種取引上の課題について、積極的に意見交換するなど、協議に応じられる環境の整備に努めます。
3.教育・人材育成の推進
①独禁法、下請法、知的財産取引に係わるガイドラインなど、適正取引を定めた法令の周知を行います。
②関係法令の遵守や適正な取引を浸透させるため、適正取引に関する研修の開催を通じて人材を育成します。
4.普及啓発活動
農業及びその関係業界の流通全体における適正取引は、各JAのみならず、関係業界が連携して普及啓発に取り組むことが重要です。そのため、自らの適正取引を実行するとともに、取引先に対しても、JAが取り組む適正取引の内容についてお伝えするように努めます。
(1)会員JAにおける取り組み
適正取引の考え方を浸透させるため、適正取引に関する研修等を定期的に受講し、自らの理解を深めます。
(2)本会の取り組み
独禁法、下請法など、適正取引に関する情報提供や法令・ガイドライン等の周知を図り、フォローアップを行います。
5.本計画及び望ましい取り組み事例の周知
自主行動計画が着実に浸透するよう、本会は、本計画を会員JAへ周知するとともに、必要に応じて内容を見直します。また、優良事例等について会員JAへの周知を行います。